「給与ファクタリング」に関する一部報道に関して

今般、一部報道において「給与前払い」などのうたい文句で展開している「給与ファクタリング業者」が貸金業にあたる可能性及び、その問題点を指摘する内容がございましたので、当社の見解をご説明させていただきます。

1)給与ファクタリングの問題点

給与ファクタリング業者は、「賃金債権の売買であり、債権譲渡のため、貸付ではなく、貸金業法には違反しない」との主張をしておりますが、実質的には、「賃金債権譲渡担保付の貸金契約」と考えられます。すなわち、「貸金業の許認可有無」と、「手数料が高額である場合、利息制限法に抵触する」という点が問題となります。

一般の債権譲渡であれば、ファクタリング業者は、譲り受けた債権の債務者である導入企業に対し、当該債権の支払いを請求するはずです。しかし、給与債権については、「直接払いの原則」により、給与債権の債務者である導入企業が従業員に支払わなければならず、給与ファクタリング業者に支払うことはできません。そのため、給与ファクタリング業者は、導入企業ではなく、必ず従業員に請求することになります。
この「労働者に金銭を交付し、同じ労働者から資金を回収する」という構造が、実質的に貸付と同じ機能であるため、金融庁より、「給与ファクタリング」のスキームは、基本的には「貸金業」に該当すると考えられる、という回答がありました。

また、数十%という高額の手数料も、問題視されている要因の一つです。

2)当社サービスとの違い

当社のサービスは、ファクタリングのように、給与明細等により従業員の信用力を判断し、勤怠の実績に関わらず資金を提供しているわけではなく、あくまで実際に勤務した分の賃金に相当する額の範囲における資金の提供です。

また、導入企業との契約に基づき、導入企業に請求を行う仕組みです。当社が資金の提供を受ける従業員に返済を請求するという仕組みではございません。

なお、そもそも当社の仕組みは、従業員の日々の安心のための福利厚生であり、多重債務化の抑止、安全性という観点でも、企業側で上限設定や利用停止の対応もでき、手数料についても一律で少額の設定にしております。

以上

2020年3月16日
株式会社ADVASA
代表取締役 久保田 俊輔