面倒な現金の割り勘。キャッシュレスの個人間送金でスマートに!

複数人で現金のやり取りをするとき、不便を感じることが多々あります。そんな割り勘のデメリットも、キャッシュレスの普及で解決できるかもしれません! 今回は、デジタルマネーで行われる個人間送金についてご紹介します。

現金で割り勘をするデメリット

複数人で会食する場面で、現金での「割り勘」をした結果、不便な思いをした経験がないでしょうか? よくあるのは、飲食店での会計で起こる以下のような例です。あらゆるシーンで実感しやすい、現金で割り勘をするデメリットをご紹介します。

お釣りに関する不便

割り勘をするとき、たまたま手持ちの小銭が少ない場合には、中途半端な金額を出せないことがあります。ほかの人の出した小銭を集めて、お釣りを計算して……なかなか会計が進まない状況に陥ることも。さらには、もしも誰かがお釣りの計算でミスをすれば、不公平な思いをする方がいるかもしれません。

手持ちの金額に関する不便

宴会が盛り上がると、つい食べ過ぎたり飲みすぎたりして、想定していたより会計が高額になる場合があります。そんなとき起こるのは、手持ちの現金が不足して割り勘に必要な金額を支払えないトラブルです。誰かにお金を立て替えてもらえるかもしれませんが、お金を貸したほうも借りたほうも、気持ちの面で負担となります。

個人間送金とは?

キャッシュレスの個人間送金を利用すれば、現金で割り勘をするデメリットを解消し、課題の解決につながる可能性があります。紙幣や硬貨などの実体がないデジタルマネーならではの利便性を活かせば、割り勘の文化が大きく変わるかもしれません。

個人間送金とは、個人から個人へデジタルマネーを送れる、新しいサービスのことです。送金は「P2Pレンディング」と呼ばれるFinTechを使って行われます。P2Pは「Peer-to-Peer(=対等な状態でのやり取り)」の頭文字を略した言葉。個人間送金では、ネットワークを利用してデジタルマネーのやり取りが行われます。

私たちの暮らしには、先ほどご紹介した飲食店での会計以外にも、割り勘が必要なシーンが意外と多くあります。個人間送金が普及すれば、お金のやり取りの利便性が高まるだけでなく、暮らしにも大きな変化が起こるでしょう。これまでの割り勘という概念を超えた、新たなお金のやり取りの可能性が広がるはずです。

なお、海外にはすでに個人間送金が浸透している国もあります。たとえば、アメリカの「Venmo」や中国の「アリペイ」などは代表的なサービスです。国内でもすでに「LINE Pay」「Pay Pay」「楽天ペイ」などが個人間送金への対応を始めており、今後もサービスに新規参入する企業が増えると見込まれます。

個人間送金のメリットとデメリット

個人間送金には、現金での割り勘と比べて以下のようなメリットとデメリットがあります。サービスの提供会社によっては、今後に状況が変化していく部分もあるかもしれません。現状の個人間送金について確認してみましょう。

個人間送金のメリット

デジタルマネーによる個人間送金では送金手数料がかかりません。手数料が発生する銀行振込と比べると、より気軽に利用しやすいのがメリットです。もちろん、キャッシュレスであるため小銭を取り扱う必要もありません。1円単位で自在に支払いができるため、計算の手間やミスにつながるお釣りの計算が不要となります。

また、個人間送金は高額な送金にも対応しています。送金の限度額はサービスにより異なりますが、国内では現状1日または1回あたり10万円までの送金に対応するサービスが多い状況です。手持ちの現金が少なくても、十分に支払いに対応できます。

個人間送金のデメリット

デジタルマネーによる個人間送金は利便性が高い一方で、利用にあたり現金とは異なる制限があります。まず、個人間送金は同じサービスを利用している方同士での利用が前提となっています。たとえば、LINE Payで個人間送金を行う場合には、利用者全員がLINE Payでやり取りをする必要があるということです。

また、個人間送金で利用するデジタルマネーは、現状では出金に手数料がかかります。ただし、サービスと提供している一部の銀行の口座へデジタルマネーを移動し、手数料なしで出金する方法もあります。受け取ったデジタルマネーを現金化したいときはやや不便がありますが、今後対応が変わる可能性も考えられるでしょう。

個人間送金の利用シーン

個人間送金は、飲食店の会計を割り勘するとき以外にも、さまざまな利用シーンが想定されます。たとえば、複数人で旅行をするケース。個人間送金なら旅先での飲食や宿泊にかかる費用をスムーズに支払いやすくなるでしょう。また、親御さんがお子さんへ仕送りをするとき、個人間送金を利用すれば銀行口座を経由する必要がありません。ほかにも、集金や精算を行う幅広い場面で個人間送金を活用できます。

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今後、キャッシュレスの個人間送金が普及すれば、割り勘がスマートに変わるかもしれません。利用シーンが広がれば、私たちの暮らしがより便利になるでしょう。デジタルマネーによる給与払いでペイロールカードが導入されれば、個人間送金の利用者が増える可能性も考えられます。キャッシュレスの最新情報を取り入れ、ビジネスシーンに起こり得る変化に備えましょう。