株式会社ADVASA(アドバサ、本店:東京都港区、代表取締役:小杉 朝光、以下「ADVASA」)は、従前より、従業員の勤怠データに基づいて給与の前払い等に関連する技術の開発を進め、当該技術の基本特許(以下「本件特許」)に関する権利を取得するとともに、当該技術を用いた給与前払いサービス等の提供を行ってまいりました。
また、ADVASAは、自社でのサービスの提供の他、当該技術の金融機関等へのOEM提供や、本件特許のライセンス許諾によるパートナーシップ戦略の展開も行っており、今後、本件特許を一層活用することにより、労働者の金銭的な課題の解決、生活環境向上、利便性向上等を実現したいと考えております。かかる目標の達成のため、ADVASAは、今後対象となる未ライセンス企業に対して審査を進め、ライセンス許諾の可否を検討してまいります。
つきましては、同じ志を持ち、チームジャパンとして世界で共に戦う企業との友好的なパートナーシップ構築のため、本件特許の関連技術の背景や、本件特許の活用に関するADVASAの方針等に関して発信させていただきます。
1 )本件特許の関連技術、本件特許の活用に関するADVASAの方針
本件特許は、いわゆる「給与への即時アクセス」に関する基本特許であり、勤怠実績を基に給与相当額を計算し、労働者にとって必要な時に、必要な資金(給与、給与前払い、社内融資含む)を、必要なツール(銀行口座、カード、電子ウォレットなど)に届けるシステム等に関連するものです。本件特許は、日本での権利化は勿論、世界82か国で出願されており、米国・韓国・ロシア・シンガポール等において既に権利化されております。
「給与への即時アクセス」サービスは、米国では「オンデマンドペイ」、「EWA」(Earned Wage Access)と呼ばれ、労働者及び雇用者一般にとって必要なものと認知されています。当該サービスは、Z世代を中心に「給与は毎日、オンデマンドに受け取り、キャッシュレスに決済」という流れに進化しており、世界のFintech企業も続々とEWA市場へ参入を始め、2021年は米国市場だけでも120億USDの規模まで成長を遂げております。
日本でも、「給与への即時アクセス」サービスは、労働者にとっては、コロナ禍による収入減による困窮の救済、不必要な借金の防止となり、また企業側にとっては、従業員のモチベーションアップ、離職防止を図ることができるものとして利用が広がっています。さらに日本では、約三分の一の世帯が緊急時の出費に対応できる貯蓄を保有しておらず(単身世帯だと二分の一)、また2,000万人を超える非正規雇用者の平均年収は約175万円となっているという発表がある中、当該サービスは、企業にとって従業員を守るための重要な福利厚生としても機能し得るものと考えております。
ADVASAは、以上のような社会的背景を踏まえ、「給与への即時アクセス」、「Everyday Payday(エブリデイ・ペイデイ)」という本来あるべき労働者の権利をベースとして、キャッシュレス社会の促進、ペイロールDXをデファクトスタンダードにしていくことで、金融包摂の実現、SDGsの課題解決に貢献し、国内外問わず、労働者の金銭的な課題の解決、生活環境向上、利便性向上に向けた取り組みを進めていくことをその目標としております。
かかる目標の達成に向けて、ADVASAは本件特許のライセンス許諾によるパートナーシップ戦略を採用しており、国内外における同じ志を持つ企業との友好的なパートナーシップの構築を積極的に進めていく所存です。
なお、本件特許については、その権利範囲に含まれる給与前払いサービスにおける立替型のサービス提供を、ライセンス許諾を受けずに行うことは、特許権侵害を構成するおそれがあります。ADVASAとしましては、パートナーの正当な利益を守りつつ、EWA市場の健全な発展を推進するべく、特許権侵害を看過することはできないと考えておりますので、特許権侵害行為が発見された場合には毅然とした対応を行う所存です。本件特許を活用したサービスを提供されている企業、又はその提供をご検討されている企業におかれましては、ADVASAとの友好的なパートナーシップの構築につきご検討いただけますと幸いです。
2 ) 知財戦略への取り組み
特許庁が発信しております「スタートアップが独創的な技術・アイディアをもとにビジネスを急成長させていくためには、戦略的な知的財産保護がカギになる」という内容にあるとおり、ADVASAは創業以前から知財の専門家と定期的に協議を行いながら、戦略構築を進めてまいりました。
中小企業庁で開催された「知的財産取引検討会」においては、知的財産に係る取引についての問題事例が指摘されており、依然として大企業と中小企業間における不適正な取引慣行などが存在しており、2021年だけでも非常に多くの問題事例がニュースとなりました。こうした事例を解決するため、知的財産取引におけるガイドラインの策定などにも、ご支援いただいている知財の専門家の方々などと連携し、積極的に関与していきたいと考えております。
3 ) 特許戦略に関するアドバイザー/協力者コメント
●マイカホールディングス株式会社(ベンチャー支援サービス)代表取締役社長 堀 新太郎
(ベインキャピタル アジア LLC シニアアドバイザー:PEファンド)
(日本産業パートナーズ株式会社 社外取締役:PEファンド)
弊社は、これまで、様々な業種のスタートアップ企業のサポートを行ってきましたが、そういうプロフェッショナルの目で見ても、ADVASA社は様々な視点で極めてポテンシャルも高く、しかも日本の多くのスタートアップ企業に比して現時点での体制が最も整った会社であると評価しています。
第一に、その技術や事業モデルがグローバルな基準で見てもかなり高い水準にあることは、国内のみならず米国を始めとする、優れたグローバル企業からも特許権も含めたポテンシャルに高い関心が寄せられ、ビジネスの交渉が始まっていることからも明らかです。
第二に、国内においても、スタートアップでありながら既に各業界の優れたリーダー企業各社との取引を中心にビジネスがスピーディに拡大されており、既に会員数、売上高、収益ポテンシャル等の様々な面でも、具体的な実績の裏付けと大きな可能性が実証されています。
即ち、多くのスタートアップ企業が将来の成長可能性や先行指標で評価され、“たられば”の物語で評価される傾向がある中で、ADVASA社は既にかなりの業績の裏付けが確認されています。
さらに特筆されるべきことは、こうした創業間もない会社はともすれば成長や事業の裏付けの準備に忙殺され、将来の可能性や権利、リスクに対する備えが遅れがちですが、この点でもADVASA社は稀有の先行投資と準備を行ってきています。
特に知財の分野においては、グロ−バルな技術やビジネスモデル特許の出願にも極めて積極的で、こういう分野で高い実績を上げているプロフェッショナルからのサポートを受け、それをさらにプレミアムの評価能力を保有しているグローバルなプロフェッショナルファームから客観的に検証・評価させる等、日本の主要企業はもとより、グローバルなリーダー企業にもひけをとらない体制を作り先行投資を行っていることが際立った特色です。
しかも、それが単なる特許の出願数等に留まらず、将来を見越した特許の取得方法や内容、有効性、他の競合特許や技術との優劣等を極めて科学的に検証していることも優れた点です。
その結果はビジネスの成果にも直結しており、既に特許自体からの資金調達の実績もあり、特許をベースとした日本やグローバルのプレミアム企業との取引が開始されていることでも、特許の有効性や実際の活用が有機的につながっていることが実証されています。
無論、こういうホットな分野の知財のライフサイクルは必ずしも長いものばかりではありませんが、その点でもADVASA社はトップやシニアマネジメントが特許のプロフェッショナルと定例的にミーティングを行って、常にアップデートと進化の努力を行っています。
こうしたプレミアム体制は、知財に限らず、法務、財務等においても優れたプロによるサポート体制を完備しつつあることでも明らかだと思います。
私どもは、ADVASA社がスタートアップの日本スタンダードを超えることは言うまでもなく、同社がグローバルスタンダードでも十分に高い評価を得られる企業であると考えており、日本発のグローバル企業として大きく羽ばたくことを期待しています。
●バンカーズ・ホールデイング 代表取締役会長 長田 忠千代
(元三菱UFJ銀行代表取締役専務)
私は長年金融機関でベンチャーの支援・育成に心血を注いできましたが、我が国のベンチャー並びにそれを取り巻く環境の中で、圧倒的に弱い部分の一つが、知財に対する知識のなさ・関心の薄さであることを痛感してきました。
そしてこれがグローバル競争に全く太刀打ちできない主因の一つであることは明白です。
このような私の問題意識から見て、ADVASA社は勤労者・雇用者(企業)双方の利便性・ニーズが高い給与即時アクセス(立替型前払い)システムの提供、さらにはデジタルチャージ等への先進的な取り組みにより、勤労者の資金繰り安定化による生活基盤の安定、ひいては個人消費の活性化、更には従業員の定着率アップをはじめ、我が国経済社会の停滞の原因たる諸課題を解決し、そのサステナブルな発展に大きく寄与すると共に、グローバル展開をも視野に入れたチャレンジングな有望ベンチャーとして大いに注目しています。
グローバル展開を視野に入れていることからも当然のごとく、知財への意識も極めて高く、既述の新規ビジネスの特許を取得し、ユーザーに広くライセンス供与する仕組みを構築することでスピーディな普及を図るというスマートなビジネスモデルを急速に展開すべく日夜努力している頼もしい企業です。
●坂本国際特許商標事務所 所長/弁理士 坂本 智弘
株式会社ADVASAは、戦略的な知財権の取得を行っているスタートアップ企業である。
権利の活用については、大手金融機関、カード会社など多くの会社と業務連携を実現し、契約を締結及び交渉を行っている特許のライセンス交渉については、ライセンス契約を効果的に結ぶことができるよう特許事務所や法律事務所と定期的に打ち合わせを行い、交渉を進めている。
一部の海外についても、すでにライセンスの話が進んでおり、今後、特許取得した国でライセンス交渉を進める予定である。
保有する知的財産を含めた会社の事業性評価を、外部の評価機関を活用して客観的に評価をしてもらい、会社の価値を確認しながら事業を進めている。
●工藤一郎国際特許事務所 弁理士 工藤 一郎
ADVASAは、勤怠管理システムと連携し、従業員への資金提供、決済までワンストップで提供可能な福利厚生ペイメントシステムのOEM提供を主要事業としています。また、近年DX化の潮流もあいまってFintechが注目されているなか、多種な金融ビジネス概念を日々検討し、知的財産化を図ろうとしています。福利厚生ペイメントシステムの事業では基本特許を日本ですでに保有しているとともに、その知財の世界展開を図っています。
同社の事業内容は、SDGsの3項目、
【3】あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する。
【5】ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う。
【8】包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用を促進する。
と深くかかわっており、まさに今社会からその成長を求められている企業と言うことができます。
●正林国際特許商標事務所 ライセンス部長 高堀 博之
ADVASA社の知財戦略等に関わる定例会議をサポートさせて頂いていますが、当該会議においては社長をはじめ経営陣が参加し、知財戦略が事業戦略等と一体として検討・策定される体制となっています。又、議案に応じて経営陣以外のADVASA社内の担当者等も参加しており、社内で知財の重要性が共有されているものと考えます。
事業計画についても知財戦略を組み込むことが図られており、外部評価機関による知財評価等を通して金融機関や投資家等との対話も意識されています。
更に、知財に詳しい各分野の専門家とのネットワーク構築を進めており、海外進出を含め、当該ネットワークを活用して知財活動を推進しています。
このようにADVASA社の事業運営の基本として知的財産経営が実践されており、世界で戦える知財戦略をもつスタートアップとして期待しています。
●株式会社ADVASA 最高顧問 松本 徹三
(元ソフトバンクモバイル 取締役副社長)
(元米クアルコム本社 SVP、日本法人社長等)
(元伊藤忠商事 通信事業部長等)
私は1996年から約10年間に亘り、3G、4G、5Gと続く携帯電話の基本特許を武器に世界を席巻してきた米国クアルコム社の日本法人を立ち上げるなど、その世界戦略に深く関与しておりましたが、その時に痛感したのは「特許」の重要性でした。他社の追随を許さぬ強力な基本特許ゆえに、クアルコム社は世界中の名だたる通信事業者を相手に一歩も引かず、自らの信じる技術思想を世界標準に組み入れることが出来ました。
その一方で私は、2013年から7年あまり、東南アジア諸国をはじめとする世界の発展途上国で新興の通信事業者を助けるアドバイザーを務め、その体験を通じて、銀行口座を持たない多くの人達が如何にして自分達の「不安定な収入」と「食料、衣料、携帯電話サービスといった日常の必需品に対する支出」をマネージしているかを学びました。そして、それと同時に、今や世界中で拡大しつつある「デジタル決済」や「トークンエコノミー」、それに加えて、「日々の労働に対する報酬の即時出来高払い」といった新しい「仕組み」が、先進諸国に先駆けて、それを切実に必要としていた発展途上国でまずは開花しつつあった事も知りました。
(株)ADVASAの「広範な特許ライセンス」と「将来の事業計画」を知った時、私の頭の中ではこの二つの体験が結びつき、火花を散らしました。この会社には、小さなベンチャー企業に過ぎなかったかつてのクアルコム社が世界の通信業界の覇者となったように、世界中の庶民の日常生活をより合理的な形で支えることになるだろう「新しい金銭収支の仕組みを提供する諸企業の中核に位置するユニコーン企業」へと発展する潜在力が秘められていると感じたのです。
現在の日本は、戦後の目覚ましい高度成長の後にやってきた30年以上に亘る経済的な停滞に呻吟しています。多くの人達が一向に増えない給料でその日暮らしの生活を強いられており、給料日まで待てずに負担の大きい消費者金融に頼ったりもしています。また、将来の不安がある為になけなしの給与の一部を貯金に回さざるを得ず、これが消費の停滞の一因にもなっています。政府が庶民の可処分所得を増やし、それによって消費を刺激したいのであれば、各企業に賃上げを求めるのみならず、給与の支払い時期を現行の「月末の一括後払い」ではなく、本来あるべき「出来高払い」に近い「一部前払い」「一部即時払い」へと変えていくことも、併せて求めていくべきでしょう。
この様に、(株)ADVASAの事業計画は、「給与前払いの促進」と「デジタル決済の促進」という、これからの日本経済の活性化の鍵となる二つの大きな流れの双方に深く関わるものであり、社会的にも大きく注目されて然るべきものですが、その潜在力はここにとどまらないと私は考えています。
現時点では、GAFAMに代表されるITサービスの大手が世界中の消費者の動向を把握することによって莫大な利益を上げており、その牙城は一朝一夕には崩せないだろうと思われていますが、更に深く考えていけば、全ての「消費」は「収入」があって初めて可能になるのです。もしその「収入」を管理するシステムを一手に握る企業が生まれれば、その企業の「情報銀行機能」はGAFAM以上になるかもしれません。(株)ADVASAは、その特許ライセンスを梃子に広範な企業提携戦略を推進することにより、この可能性に深く関与していくことができるでしょう。
●Head of Patent Advisory Services at IPwe, Raul Diaz Morales
ADVASA is fully committed to the patent portfolio and keep on improving it driven by their innovation-oriented corporate culture.
The patents cover basic aspects of an innovative EWA technology which seeks to improve greatly previous solutions. They have a very good sense of a technological market that is global, and especially because the technology is relevant to tech services that can be helpful everywhere in the world, the filing strategy is global and covers many countries, including key international markets.
We see significant opportunities worldwide for several markets that have and going to gain very large market sizes. There ADVASA has the potential to make an innovative contribution employment market and payroll market via payroll DX.
(参考日本語訳)
IPwe特許アドバイザリーサービス責任者 ラウル・ディアス・モラレス
ADVASAは、イノベーションを重視する企業文化を背景に、特許ポートフォリオの充実に力を注いでいます。
本件特許は、従来のソリューションを大きく改善しようとする革新的なEWA技術の基本的な部分をカバーしています。特に、当該技術は、世界のどこでも役に立つ技術サービスに関連しているため、出願戦略は、主要な国際市場を含む多くの国々をカバーするグローバルなものとなっています。
ADVASAは、非常に大きな市場規模を持ち、これから獲得するいくつかの市場について、世界中に大きな機会があると見ています。そこでADVASAは、ペイロールDXを通じて、雇用市場や給与計算市場に革新的な貢献をする可能性を持っています。
■会社概要
会社名:株式会社ADVASA
代表者:代表取締役 小杉 朝光
所在地:東京都港区元赤坂1-2-7 赤坂Kタワー4階
設立:2017年4月
資本金:5億5,000万円(資本準備金含む)
事業内容:
・労働者への資金提供システムの開発・OEM提供
・Fintech、AI、ブロックチェーン等のシステム開発
URL:https://www.advasa.co.jp