近年、企業の福利厚生の一環として知名度が高まりつつある「給与日払い」ですが、どのようなニーズがあるのか実感がわかないという声も少なくありません。
導入することで求人応募数の増加に成功した企業の例もありますが、「そもそも自社に給与日払いシステムを導入しても、本当に従業員からのニーズはあるのだろうか?」と懸念している担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回は、そんな給与日払いのニーズについてご紹介していきます。従業員目線でのニーズを知ることで、導入を検討する際の参考にしてみてください。
学生や若手社員など
給与日払いは、主に学生や若手社員などの若年層からのニーズが高いと考えられています。その理由は、若年層には十分な貯蓄のない働き手が多いからです。そうした働き手は、突然の出費に対応するために、給与日払いを活用したいと考えます。
たとえば、アルバイトとして働く学生は学業の合間に働いているため、フルタイム勤務をする場合と比べて収入が少なくなります。また、正社員であったとしても、まだ社会人になって年数の浅い新入社員も同様です。入社して間もない頃には貯蓄が不十分であり、突然の出費への対応は難しいといえるでしょう。
もともと給与日払いの制度を知らなかった若手社員も、企業側からの説明を受けたことで、積極的に利用するようになる場合があるようです。一見するとニーズが少ないように見える場合も、一度は従業員の声を聞いてみると良いかもしれません。
若手社員は企業の将来を担う大切な人材です。人材採用において若手にアプローチすることは、企業を存続させるうえで不可欠といえるでしょう。そんなとき、給与日払いに対応していることが、アドバンテージになる可能性があります。
スマホ世代
給与日払いシステムは、スマートフォンやタブレットなどの端末を操作することで、簡単に給与相当額を引き出せるのが特徴です。利用する従業員が会社に何らかの申請をする必要はなく、面倒な手続きなどもありません。
給与日払いシステムの魅力は、このような手軽さにあります。日頃からよくスマホを利用するのはもちろん、スマホで決済を行うことにも慣れている「スマホ世代」に親しみを持たれやすいサービスだといえるでしょう。
そんなニーズを想定して、給与日払いシステムを導入するときは、PCだけでなくスマホから申請できる機能が必須といえます。業務時間中だけでなく、いつでもどこでも申請や振り込みができるのが理想です。
スマホ世代の感覚は、すでに「給料は給料日に振り込まれるまで待つ」「手元にお金が足りなくなったら銀行のATMにおろしに行く」といった感覚とはかけ離れているかもしれません。利便性や即時性を重視して給与日払いを導入することが大切です。
外国人労働者
国内ではもはや珍しい存在でなくなった外国人労働者。都内を中心とした人口の多いエリアでは、外国人労働者を見かける機会が多くなりました。近年、少子高齢化による労働力不足の対策として、外国人労働者が注目を集めています。
実は、給与日払いの制度は、外国人労働者からのニーズも高いのです。中には、労働力不足を解消するために、給与日払いができるよう外国人労働者へ向けて環境を整える企業もあります。将来的に外国人労働者を獲得するための競争がさらに激化した場合を想定して、日払いの制度を整えておくのもひとつの手です。
給与日払いに対応するために、専用のシステムを導入する方法があります。給与計算の担当者の手続きが煩雑になるのを防ぐためにも、給与日払いを始めるのであれば導入を検討してみましょう。社内のコストを抑えつつ、無理なく制度を整えられます。
アルバイトやパート
給与日払いの制度は、アルバイトやパートの形態で働いている従業員からのニーズが高いと考えられています。一般的に、すぐに必要な資金のために働くことが多いアルバイトやパートの従業員にとって、いつでも給与相当額の一部を受け取れる制度が用意されていることは、メリットが大きいといえます。
また、すでに働いた分に相当する給与をいつでも引き出せるのは、アルバイトやパートの従業員にとって働く意欲に直結しやすいといえます。必要に応じてシフトを増やす従業員が増え、職場の労働力の強化につながる可能性もあるでしょう。
各種求人情報サイトにおいても、給与日払いができる求人は安定して人気が高い状況にあります。採用活動でアルバイトやパートの従業員を募集するなら、ニーズが高い給与日払いの制度を整えておくことをおすすめします。
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給与日払いのニーズがあると考えられるのは、主に学生や若手社員、スマホ世代、外国人労働者、アルバイトやパートの従業員などです。もちろん、若年層だけでなく高年層にもニーズがあり、簡単な操作で問題なく活用していただけます。
給与日払いができる仕組みを整えることで、従業員からのニーズに応えることができ、人材確保の強化につなげられる可能性があります。人材採用が売り手市場で企業間の競争が激化しつつある近年、求職者からニーズのある給与日払いを導入して、採用活動にお役立てください。